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日東駒専の難化は本当?「今後もMARCHの滑り止めにすることはできる?」
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結論から言うと、近年日東駒専(にっとうこません)の難易度が上がっているのは本当です。
なお、早慶やMARCHの難易度も上がっているため、大学群の序列は変わっていませんが、日東駒専の難化の方が顕著なのでMARCHでギリギリという人は日東駒専を滑り止めにできない可能性もあります。
今回は日東駒専の難化について、MARCHの滑り止めになるかどうかや各学部のレベル・偏差値などを解説します。
これを読んで、日東駒専を含めて志望大学を選ぶ上での参考にしてください。
日東駒専の難化についてざっくり説明すると
2020年度入試で難易度が急上昇
国の補助金削減などが原因なので難易度が下がることは考えにくい
MARCHの受験者が滑り止めにすると落ちる可能性もある
日東駒専(にっとうこません)は難化したって本当?
日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学の総称である日東駒専(にっとうこません)は、受験生のボリュームゾーンと言われています。
そんな日東駒専が近年難化しているとネット上などで話題です。果たして真相はどうなのでしょうか。
2020年は日東駒専の難易度が急上昇
2020年度入試では、「日東駒専の難易度が上がった」と大手予備校などで大きな話題になりました。
例年なら合格していたA判定、B判定の生徒が落ちたり、MARCHや早慶を狙っていた受験生が滑り止めの日東駒専で不合格になるなどの事態が頻発したのです。
MARCHも難易度が上がったと言われていますが、日東駒専の上がり方はそれとは比べ物になりません。
大学自体の定員が厳格に
日東駒専の難化の原因としては、文部科学省が私立大学に支給している「私立大学等経常費補助金」を大幅に削減する方針を出したことが挙げられます。
補助金が大きく削減されたため、例年補欠合格や「点数が並んだ」という理由で寛大に受験生を受け入れてきた日東駒専も、定員を削減せざるを得なくなったのです。
昨今はどの大学も財政事情が厳しく、日大などは教員を解雇しなければならないほど逼迫しているので、この事態はある意味仕方ないとも言えるでしょう。
日大では非常勤講師の雇い止めも
日東駒専の一つである日本大学では、受験生の数だけでなく、教員の数も減らそうとする動きがあり、雇い止めされる非常勤講師が増えています。
人件費を抑えるために教員の数を減らすことは致し方ありませんが、非常勤講師が減ることによって専任教員の負担が大幅に増加することから、教育の質という点から見てこの経営判断を批判する声もあるようです。
MARCHの滑り止め受験生が大幅に増加
合格基準の厳格化や難易度の上昇は、早慶やGMARCHでも同じように起こっています。
地方創生を促進するためにも、首都圏の大学の定員を増やさないようにするべきだという審議もあり、日東駒専やMARCHの難化傾向はしばらく続くと考えられます。
日東駒専は一年でどのくらい難化したか
2020年度の入試で日東駒専の難易度が急上昇したことはお伝えしましたが、実は2019年度入試でもかなり難易度が上がりました。
以下では2018年から2019年の1年で、日東駒専の各学部の偏差値がどのくらい上昇したのかを見てみましょう。
なお、以下のデータは東進の「大学入試偏差値ランキング」を参考にしています。また記載している各学科の偏差値は偏差値が上昇した学科の平均偏差値です。
ちなみに今回は偏差値が上昇した学部・学科だけを紹介するので、「平均」には偏差値に変化がなかった学部・学科は含まれません。
日本大学は+3.4程度偏差値が上昇
日本大学の偏差値は1年で以下のように上昇しました。
学部(学科) 2018年度 2019年度 変動幅
法学部(政治経済学科・新聞学科・経営法学科・公共政策学科) 51.3 54.4 +3.1
文理学部(史学科・中国語・中国文化学科・英文学科・社会学科・社会福祉学科・体育学科) 52.9 55.4 +3.5
経済学部(金融公共経済学科) 52.5 55.0 +2.5
商学部(商業学科・経営学科・会計学科) 52.5 55.8 +3.3
芸術学部(音楽学科・放送学科・デザイン学科) 50.8 54.2 +3.4
国際関係学部(国際総合政策学科・国際教養学科) 48.8 55.0 +6.2
理工学部(交通システム工学科・海洋建築工学科・まちづくり工学科・電子工学科・応用情報工学科・物理学科) 49.2 51.7 +2.5
平均 51.1 54.5 +3.4
東洋大学は+3.3程度偏差値が上昇
東洋大学の偏差値は1年で以下のように上昇しました。
学部(学科) 2018年度 2019年度 変動幅
文学部(哲学科・東洋思想文化学科・日本文学文化学科・英米文学科・教育学科-人間発達・国際文化コミュニケーション学科) 54.6 58.6 +4.0
経済学部(経済学科・国際経済学科) 55.0 58.6 +3.6
経営学部(経営学科・マーケティング学科) 52.5 56.3 +3.8
法学部(企業法学科) 55.0 57.5 +2.5
社会学部(社会学科・社会福祉学科) 53.8 57.5 +3.7
国際学部(グローバル・イノベーション学科・国際学科-国際地域専攻 56.3 58.8 +2.5
理工学部(機械工学科・生体医工学科・電気電子情報工学科・応用化学科・都市環境デザイン学科・建築学科) 45.4 48.3 +2.9
平均 53.2 56.5 +3.3
駒澤大学は+3.5程度偏差値が上昇
駒澤大学の偏差値は1年で以下のように上昇しました。
学部(学科) 2018年度 2019年度 変動幅
仏教学部(仏教学科) 42.5 47.5 +5.0
文学部(国文学科・英米文学科・歴史学科-日本史学・歴史学科-外国史学) 55.0 57.5 +2.5
経済学部(経済学科・商学科・現代応用経済学科) 51.7 55.0 +3.3
法学部 52.5 55.0 +2.5
経営学部 52.5 56.3 +3.8
平均 50.8 54.3 +3.5
専修大学は+4.1程度偏差値が上昇
専修大学の偏差値は1年で以下のように上昇しました。
学部(学科) 2018年度 2019年度 変動幅
経済学部(経済学科・国際経済学科) 50.0 53.8 +3.8
法学部(法律学科・政治学科) 52.5 57.5 +5.0
経営学科(経営学科・ビジネスデザイン学科) 51.3 53.8 +2.5
商学部(マーケティング学科・会計学部) 48.8 53.8 +5.0
文学部(日本文学文化学科・哲学科・歴史学科・環境地理学科・ジャーナリズム学科) 50.5 54.5 +4.0
平均 50.6 54.7 +4.1
日東駒専の難易度や偏差値はどれくらい?
ここまで日東駒専が難化したことを解説してきましたが、現在の偏差値や難易度はどのくらいなのでしょうか。
なお、以下で紹介する各学部の偏差値は、いずれも最も偏差値が高い学科のものを記載しています。
日本大学の偏差値は55ぐらい
日本大学には文理学部や危機管理学部をはじめ、16の学部が存在します。最高偏差値は医学部の72であるのに対し、工学部電気電子工学科の偏差値は41と学部間の偏差値格差はかなり激しいです。
平均偏差値は従来まで53?57前後でしたが、近年は55?57程度まで上昇しています。
ちなみに2018年度は悪質タックル問題によって志願者数が減少したため、倍率は少し下がっていましたが、その後志願者数は回復傾向にあります。
日本大学の各学部の偏差値は以下の通りです。
学部 偏差値
医学部 72
生命資源科学部 67
芸術学部 61
文理学部 60
法学部 59
理工学部 59
経済学部 58
商学部 58
歯学部 58
薬学部 57
危機管理学部 55
スポーツ科学部 54
松戸歯学部 54
国際関係学部 53
工学部 53
生産工学部 50
東洋大学の偏差値は55くらい
東洋大学には文学部から情報連携学部まで、全部で13の学部があります。最高偏差値は国際関係学部の63である一方で、最低偏差値は理工学部生体医工学科の48です。
平均偏差値は例年54?55程度でしたが、近年は日大と同じようにもう少し高くなっています。
東洋大学の各学部の偏差値は以下の通りです。
学部 偏差値
国際学部 63
文学部 62
社会学部 62
国際観光学部 61
法学部 60
経済学部 60
経営学部 60
総合情報学部 57
ライフデザイン学部 56
情報連携学部 52
理工学部 52
食環境科学科 52
駒澤大学の偏差値は54くらい
駒澤大学には文学部から医療健康学部まで、全部で7つの学部が存在しています。
最高偏差値はグローバル・メディア・スタディーズ学部の61で、最低偏差値は仏教学部の51です。平均偏差値は従来54程度でしたが、昨今は56くらいまで上昇しています。
駒澤大学の各学部の偏差値は以下の通りです。
学部 偏差値
グローバル・メディア・スタディーズ学部 61
文学部 60
経営学部 58
経済学部 57
医療健康科学部 55
法学部 54
仏教学部 51
専修大学の偏差値は53くらい
専修大学には文学部からネットワーク情報学部まで、全部で8つの学部が存在しています。
学部間の最高偏差値は人間科学部の61で、最低偏差値はネットワーク情報学部の52です。平均偏差値は52?54程度でしたが、最近はやはり上昇が見られます。
専修大学の各学部の偏差値は以下の通りです。
学部 偏差値
人学科学部 61
法学部 60
文学部 59
経営学部 58
商学部 58
国際コミュニケーション学部 57
経済学部 58
ネットワーク情報 52
MARCHとのレベルの違い
MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)の偏差値は総じて60前後であり、日東駒専の一つ上に位置する大学群です。また学習院大学も加えて、GMARCHと呼ぶのも一般的です。
さらにその上には早慶(早稲田・慶應)がありますが、MARCHの中でもトップの学部は早慶の学部にも匹敵するほどの偏差値を誇ります。
同様の現象が日東駒専とMARCHの間にも見られ、日東駒専の中でもトップの偏差値を誇る東洋大学の文学部などは、法政大学や学習院大学にも劣りません。
なお、GMARCHの平均偏差値を比較すると、立教>明治>青山>中央=法政・学習院という感じになるでしょう。
MARCHの偏差値をチェックしてみた
参考までにMARCHの偏差値も確認しておきましょう。
<明治大学の偏差値>
学部 偏差値
文学部 68
情報コミュニケーション学部 67
国際日本学部 67
文学部 67
政治経済学部 67
経営学部 67
商学部 67
法学部 66
総合数理学部 66
理工学部 66
農学部 65
<青山学院大学の偏差値>
学部 偏差値
国際政治経済学部 69
社会情報 67
文学部 67
経済学部 67
総合文化政策 67
地球社会共生 67
法学部 66
経営学部 66
教育人間科学部 67
理工学部 66
コミュニティ人間科学部 65
<立教大学の偏差値>
学部 偏差値
異文化コミュニケーション学部 69
社会学部 67
経営学部 67
現代心理学部 66
文学部 66
法学部 66
経済学部 66
観光学部 66
コミュニティ福祉学部 64
理学部 63
<中央大学の偏差値>
学部 偏差値
法学部 68
国際情報学部 66
総合政策学部 65
経済学部 65
商学部 65
国際経営学部 64
理工学部 64
文学部 62
<法政大学の偏差値>
学部 偏差値
グローバル教養学部 69
法学部 66
国際文化学部 65
文学部 65
経営学部 64
社会学部 64
キャリアデザイン学部 64
デザイン工学部 64
人間環境学部 63
経済学部 63
スポーツ健康学部 63
現代福祉学部 62
生命科学部 62
理工学部 62
情報科学部 61
上記を見ると、総じて偏差値はMARCHの方が日東駒専よりも高いものの、学部によっては日東駒専と大して変わらないところもあるということが分かります。
日東駒専に受かるための勉強方法
ここからは日東駒専に合格するための勉強法について解説します。
情報収集を欠かさない
日東駒専には難化の傾向が見られるため、最新情報をチェックすることは非常に大切です。そのため、大学受験生になったら自ら積極的に情報を収集することを心がけましょう。
また早慶やMARCHの受験者は滑り止めとして日東駒専を選ぶ場合も多いでしょうが、MARCHでギリギリというレベルの人は日東駒専を滑り止めにするのはおすすめできません。
加えてさらに難化が進む可能性もあるので、「日東駒専でいいや」くらいの気持ちで受験するのも危険です。感覚としてはMARCHに合格するくらいの気持ちで、やっと日東駒専に合格できると思っておいた方が良いでしょう。
推薦を選ぶという手段も
学力的に一般入試での合格が難しい場合は、推薦入試での合格を狙うという選択肢もあります。
もし推薦入試を受けるなら、推薦を本命にして一生懸命対策をするのが良いでしょう。推薦入試に全力でチャレンジし、ダメなら一般で挽回するというスタンスで臨むのが理想的です。
反対に一般入試を本命にして、「ダメなら推薦がある」というような気持ちで臨むのはおすすめできません。
基礎学習を欠かさない
日東駒専の入試で出題されるのは基礎レベルの問題が大半で、少し出される応用問題もそれほど難しくありません。
よって日東駒専を受験するなら、各科目の基礎学習を最も重視するようにしましょう。まずは基本的な英単語や古文単語をきちんと覚えたり、数学なら学校の問題集を完璧にすることに取り組むのがおすすめです。
そうした基礎学習を夏までに一通り済ませておけば、後は過去問などを使って実践的なアウトプットをすることで効率よく受験対策が進められるでしょう。
過去問を大切に
日東駒専はそれぞれで入試に特色があるため、過去問演習を通して出題傾向や問題形式に慣れておくことが非常に重要です。
そのため、基礎固めが済んだら、後は過去問演習を中心に対策を進めるのが良いでしょう。できるだけ過去に遡ってたくさんの問題を解き、志望大学に特化した学力を身に付けるべきです。
なお、日東駒専を滑り止めにしようと考える際も、一度過去問と解いてみて、その結果を判断基準にするのが良いでしょう。過去問で合格点を安定して取れるようでなければ、滑り止めに選ぶべきではありません。
その部分を学ぶには、先人の言葉や伝承されてきた古典が非常に有効でしょう。