もくじ
大学の序列・明治大が「早慶明」に接近した?
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以前から「早慶上理」「日東駒専」など、いまや受験の際に一般的に使われる大学のグループ分けが存在していました。ところが最近では新たな学校を加えた呼び名が登場するなど変化も見られる。
大学のグループ分けが活発だ。旧7帝大(北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大)、早慶上理(早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大)、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)、関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)など、これに限らず、さまざまな大学グループが存在しています。
昔はそれほど使われていなかった。それより注目されていたのは難易度だったが、今はグループで大学をひと括りでいうのが流行のようになってしまっている。
“国立離れ”で私大序列化が加速
こういったグループ分けが活発になってきたのは1979年以降の頃からです。この年から新しく共通一次試験が始まった。来年から始まる大学入学共通テスト、今年まで実施されていた大学入学センター試験の前身に当たる試験です。この試験は今と同じで、国公立大を受けるために必要な試験であり、共通一次試験には私立大は基本的に参加できなかったのです。
この共通一次試験導入を機に国立大の入試方式が変わるのでる。それまで国立大は1期校、2期校に分かれ、受験生は国立大を2校受験するチャンスがあったのです。東京圏だと1期校は東大、一橋大、東京工業大、お茶の水女子大、千葉大など。2期校は東京医科歯科大、東京外国語大、埼玉大、横浜国立大などになります。1期校の東大・理三を不合格になれば、2期校の東京医科歯科大・医学部を受験するというわけだったのです。
ところが、この共通一次試験導入と同時に1期校、2期校制を辞めてしまいました。国立大1回受験にしたのです。まさに受験生不在の改革だったのです。
この改革は国立大にとってマイナスとなったようです。受験生にとってみると、新しく始まる共通一次試験への対策が必要になったうえに、国立大は1校しか受けられない。負担が大きい割にメリットは少ないとの考えが広がり、国立大離れが起こったのです。
そこで、当然の流れともいえる私立大第一志望者が増加するわけです。また、国立大を目指す層も今までは2期校をスベリ止めにできたのに不可能となり、併願校を私立大に求めざるを得なくなったのです。この結果、私立大人気が上がることとなったわけです。私立大は志願者が集まり、難易度が上がり、18歳人口の増加、大学進学者の増加も追い風になり、人気は高まる一方となったのです。
そんな時にこの私立大のグループ分けが人の口に上るようになる。それまでは「早慶」「早慶明」などと言われることもあったが、ごく一部でそれほど一般的ではなかった。だが、私立大の難化とともに、高校や予備校での進路指導の時に、「早慶第一志望なら抑えにMARCHを受けたら?」などと言うと、生徒も併願校をイメージしやすいのです。こうして大学グループの名称は一般的になっていくわけです。
「入れ替えのないリーグ戦のようなもの」
中堅校の名称には日東駒専(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)、大東亜帝国(大東文化大、東海大、亜細亜大、帝京大、国士舘大)、関西では産近甲龍(京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)、神桃追摂(神戸学院大、桃山学院大、追手門学院大、摂南大)などがあり、頻繁に使われております。
ただ、近畿大は大学のグループ分けについて、「入れ替えのないリーグ戦のようなもの」と評している。関西でいえば、京阪神(京大、大阪大、神戸大)、関関同立、産近甲龍、神桃追摂の順で、微妙な変化は起きているものの、何年経っても大学の入れ替えはないからです。
こういったグループ分けは、進路指導だけでなく、高校などで大学合格実績が伸びていることを表わす指標としても使われております。
保護者への説明で「MARCHは昨年より〇人増えました」などと結果報告するわけだ。だから、対象の大学が増えると、合格者数が増えるため、新しいグループ分けは使われやすくなるのです。
例えば、「早慶」は上智大の就職の良さと難化で「早慶上智」になり、そこに東京理科大を加えて「早慶上理」という言い方ができた。MARCHに学習院大を加えて「G─MARCH」もできた。この二つは最近、よく使われているようになりました。
このように、今までどのグループにも入っていなかった大学を加えることは行われている。
また、京都の進路指導教諭は「産近甲龍は京都では産近佛龍ということもあります。兵庫の甲南大までは生徒は行かず、地元の佛教大を選ぶからです」と言う。こういったローカルな呼び方もあります。
明治人気高まり「早慶明」時代に?
最近ではSMARTというのもある。Sは英語名がソフィア・ユニバーシティの上智大、Mは明治大、Aは青山学院大、Rは立教大、Tは東京理科大で、この5大学のグループだ。それにGCH(学習院大、中央大、法政大)をつけて、SMART─GCH(スマート・ジーチャンネル)と呼ぶこともあります。
こういった新しいグループ分けは今後も作られていくだろう。例えばMARCHの中でも明治大の難易度や女子人気が高まっているため、すでに早慶と同じグループで括られるケースも出てきたし、偏差値の高いICU(国際基督教大学)が新たにどこかのグループに加わる可能性だってあるわけです。関西では産近甲龍から近畿大が別のグループに入るかもしれません。
ただ、どんなに新しいグループができても、どこまで進路指導の現場や大学合格実績の伸びの指標に使われるかが重要なのです。単なるイメージ先行でなはなく、5年後も違和感なく使われているようなら、生き残るグループ分けといえるのではないでしょうか。
北海道、名古屋、静岡、大阪といったエリアで、同時多発的に大学の統合再編が進みつつある。
しかも、ただの統合再編ではない。旧帝国大学である名古屋大学が岐阜大学との統合に踏み切ったのに加え、大阪市立大学と大阪府立大学が統合し、公立大学としては日本最大級となる新大学を発足させるのだ。
まさに大規模統合といえるスケールで、それらの大学が位置するエリアの大学序列に多大な影響を与えることは間違いない。
特集では、日本全国で進行中の統合再編劇に加え、これら統合再編が影響を及ぼすとみられる周辺大学についてもエリアごとにまとめている。
まずは、北海道から見ていこう。小規模ながらも歴史のある三つの国立の単科大学、小樽商科大学と帯広畜産大学、北見工業大学が統合を決めた。全国各地にある単科大学の生き残りが今後の焦点の一つになるとみられており、その試金石になるとして注目を浴びている。
次に、中部だが、こちらは2つの統合再編が行われることになる。
ひとつは、先述した通り、旧七帝大の一角を占める名古屋大と岐阜大が統合すること。詳細は、本誌の名古屋大学理事・副総長の杉山直氏のインタビューをご覧いただきたいが、今回の統合の狙いは旧帝大の最下位からの“序列逆転”を狙ってのことだ。
また、名古屋大と岐阜大を傘下に持つことになる東海国立大学機構が今後、周辺大学をいかに取り込んでいくかについても焦点になるだろう。
次に、静岡大学と浜松医科大学の統合だ。静岡大学の浜松キャンパスにある工学部と情報学部を浜松医科大に統合して再編するというものだが、同一県内ながらも静岡と浜松の経済圏が大きく異なることから、今後の波乱が予想される。
日本最大級の公立新大学が誕生「京阪神」の序列異変は不可避
そして大阪。大型統合劇による最大の“序列激変”が巻き起こると予想される地域だ。
大阪市立大学と大阪府立大学という2つの公立大学が統合し、学生数約1万6000人規模を誇る日本最大級の公立新大学が誕生するからだ。
しかも、大阪南部に位置する両大学のキャンパスは当面継続されるものの、2025年度には、大阪城にほど近い森ノ宮にメインキャンパスが完成することから、大阪は言うに及ばず京都や兵庫からの学生を獲得しやすくなる。
となれば、関西の大学ヒエラルキーの頂点に君臨する「京阪神(京都大学、大阪大学、神戸大学)」の序列を揺るがしかねない衝撃を与えるのは、想像に難くない。両大学の幹部たちは言う。
「神戸大学を超えねばなりません。それが、われわれの使命です」
仮に、そうなれば、関西のトップ私立大グループ「関関同立」の序列にも、大きな影響を及ぼすことになるだろう。
他にも、まだ明確な動きはないものの、統合再編に動きそうな大学群はそこかしこにある。
例えば、東北地区では、国際教養大学が動けば、東北大学に影響を与えることになるだろう。
九州地区については、九州大学に次ぐ地位を競い合っている熊本大学と長崎大学の熾烈な勢力争いに注目が集まっている。