センター試験時代とはここが違う!大学22年入試「共通テスト」の傾向と対策

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センター試験時代とはここが違う!大学22年入試「共通テスト」の傾向と対策

センター試験時代とはここが違う!

2021年入試の“大イベント”だった、センター試験から共通テストへの移行。実際の試験問題の傾向や難易度はどうだったのか。特集『入試・就職・序列 大学』(全23回)の#16では、21年の入試から、22年入試の必勝法を探る。初年度に出題された内容を分析し、2年目となる来年の傾向を読み解く。

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■共通テスト初年度
コロナの影響を避けられず

コロナ禍で行われた2021年の入試。センター試験から共通テストへの移行初年度という“大イベント”であったが、やはり新型コロナウイルス感染拡大の影響は避けられなかった。

まず日程が、1月中に第1日程と第2日程の2回に分けて本試験、さらに2月に追試が実施されるというイレギュラーなものになった。志願者数の減少も顕著で、昨年のセンター試験と比べ志願者数96%、受験者数は92%だったという。これは、少子化の影響で受験人口が減っていることに加え、共通テスト初年度を敬遠して昨年のうちに大学を決めた学生が多く浪人生(既卒生)が減ったこと、そして、コロナ禍への懸念が影響したとみられている。

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肝心の試験内容では、導入初年度は「過去問」がないため、受験生は対策に苦労した。東進ハイスクールが導入初年度の共通テストを受験した学生に向けてアンケートを実施したところ、テストを受ける前にどのような不安があったかの質問では「思考力・判断力・表現力を問う新しい出題」「事前の情報不足」「リスニングの比重増加」「数学の試験時間増に伴う難易度」が上位に挙がったという。

では、実際の試験はどうだったのか?また、導入初年度の傾向から読み取れる、2年目となる来年の対策は?次のページからは、専門家の分析も交えながら、共通テスト必勝法を考えていこう。

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思ったより「易しかった」
共通テストの出題傾向は?
初めて行われた共通テストについて、「出題傾向が変わるため平均点は下がると思ったが、想定より易しかった」と専門家は口をそろえる。それは平均点に表れており、全体的に昨年(センター試験)より平均点がアップした。

共通テスト

共通テストの出題傾向について、大手予備校の河合塾津田沼校舎長の?刀亮氏は「知識や解き方の暗記のみで解答できる問題は減少し、思考力や判断力を使って解くことが求められる問題が重視された。また、日常生活の中から課題を発見、解決方法を考えたり、資料やデータを基に考えたりするなど、学習過程を意識した出題の設定が多かった。全科目でグラフや地図、写真、文章などを読み取る資料が増加し、会話文も導入されたため、全体的に問題量が増加したのも特徴的だ。全般的によく練られた出題傾向だった」と分析する。

ただ、来年については「センター試験に変わったときも、導入初年度は前年より平均点が上がり、その後2年目に少し難しくなって平均点が下がり、3年目はさらに下がった。共通テストも来年は今年よりも難化することを想定して準備を進めるべき」と言う。

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共通テスト対策にも
センター試験の過去問は有効
では、どのような対策で臨めばよいのか。

大手予備校の東進ハイスクールを運営するナガセの市村秀二広報部長は「問題を読む量が増えているので、解答のスピードを上げるのがポイント。ぱっと見て『あ、この形式は見たことがある』と思えるものが多ければ、その分解答のスピードは速くなる。また新形式の問題を試験で初めて見てその場で一から考えるようになっても、慌てることなく時間内に対応できる力を身につけることが大切。そのためにも問題演習を繰り返すことが大事になる」と指摘する。

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問題演習を繰り返すといっても、共通テストの「過去問」は1年分しかないじゃないか…と思うかもしれないが、実は、ここで役立つのがセンター試験の過去問だ。

前に述べた東進ハイスクールのアンケートで、難関大学の現役合格者に「共通テスト対策にセンター試験の過去問を利用したか」との質問に、84.5%が「はい」と回答し、そのうちの93.3%が「センター試験の過去問演習が有効だった」と答えたという。

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「つまり、センター試験と共通テストは異なる方針で作られていても、問われている知識そのものは同じで基本は変わらないということ。共通テスト対策にも、センター試験の過去問が有効だ」

河合塾の?刀津田沼校舎長は「今年は出題傾向の変化や難しくなりそうだという予想から、共通テストを敬遠した受験生が一定数いたと思うが、ふたを開けてみると昨年のセンター試験より平均点は高く、受けなかったのはもったいなかった。全般的に入試倍率が低下傾向にあることや共通テストを活用する私立大学が増えていることからも、しっかり受けておくことで志望校合格のチャンスは広がる」と言う。

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また、来年の傾向については他にも「思考力や判断力を重視する共通テストの特徴から、今年は日常生活の中にある課題から出題される傾向があったが、国語に関しては近代以降の文章に、センター試験を踏襲した読解問題が多かった。来年はそれが共通テストの出題傾向に沿ったものになるのではないか」「英語のリスニングで聞き取る音声を2回流す『2回読み』と1回しか流さない『1回読み』の出題方法があるが、リスニング力を重視した『1回読み』が今後増加傾向にある。来年もこの流れはより強まるのではないか」(いずれも予備校関係者)といった声が聞かれた。

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来年の共通テストの実施日程はすでに大学入試センターから発表されており、本試験は22年1月15日(土)、16日(日)、追試は2週間後の22年1月29日(土)、30日(日)に行われる予定だ。今年のように本試験は2回設定されていない。だが、新型コロナウイルスの感染リスクを考慮してだろう、通常、本試験の1週間後に行われる追試が2週間後に設定されている。ただ、この日程も感染拡大の状況によって変更になる可能性もあることには注意したい。

来年は今年より平均点が下がる、つまり問題が難しくなるというのが大方の予想だが、出題傾向についても、新型コロナの感染リスクについても、前例がある分、今年よりは不安感も軽減されるだろう。今年の例をじっくり分析し、焦らず万全の準備で挑みたい。



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