もくじ
双生児研究と東大附属の教育実習のやりかた
東大附属と教育実習のやりかた
東大附属はこれまで東大の学生の教育実習も受け入れてきました。そこで2007年度からは若干の変化があり大学院教育学研究科では教育実践について学び研究する「学校教育高度化専攻」が設置されております。
これは教師である人も大学院生として実践的に研究することが出来るようになりました。そのことにより附属の先生も大学院生に指導をしたり共同研究をしたりができますので教育実習が自分たちの出身校でもできるようにしています。
それから既に教員の人を対象にした教員免許の更新制をしています。そのため研修が新たに必要になりますので教育実習と教師教育というものが附属学校の一つの任務という認識がなされているようです。
双生児研究は東大付属の大きな特徴
それからユニークな研究として東大附属の双生児研究というものがあります。東大附属の第1回の1948年度の募集要項を見ると男子だけを募集でした。
募集定員は「男子80名(普通学級40名、特別学級40名)」となっております。
かなりの狭き門ですごいエリート校だったことが分かりますが、一転して普通教育やさらには遅れを持った子供たちの教育も行うように方針を変えています。
エリート教育ではない
これはどういうことかと言いますと、国立大学の附属は大学の教育学部が背後にあるので教育の専門家がいる場所でもあるのでエリート教育ではなく、むしろそういった教育をすべきなのではという方針の転換がなされたのです。
さらに普通学級は抽選で40名を合格させることにし、一卵性双生児は抽選によらまいで特に選考するという方針にかえたので双生児研究は創立からの歴史が実はあるのです。
この双生児研究は東大付属の大きな特徴となっていて、過去からの膨大な研究資料が蓄積され
今でも継続されているそうです。
募集要項は双生児の枠というものがあり男女それぞれ10組ずつ合計40人を募集しています。
男女あわせて10組ぐらいが入学している
全体の募集枠は120人ですので最大で3分の1が双生児になるという計算になしますが実際には
そんなに双生児が集まることはないようです。
多くても半分くらいなそうで男女あわせて10組ぐらいが入学しているそうで、全体の6分の1が双生児ということになるので40人のクラスに7人くらいることになります。
<h3>さすが東大は日本の最高峰の学校です。
双生児に関する研究では、そうでない子供に比べどんな特徴があるのかといった発達の仕方の
特徴や双生児の間での人間関係がどのように作られていくのかとか、あるいは双生児の親の
意識はどうかとかとか、とにかく「双生児」という研究をしているのです。
さすが東大は日本の最高峰の学校ですから、これらの研究は、附属の教員の他に、教育学部や
それ以外の学部、あるいは東大以外の大学との共同研究で行われ毎年附属の論集に研究論文を
発表し研究論文集出しております。
双生児については教育学部とか東大附属とかで一つのテーマがあり、これだけ継続して入学させているので、蓄積された膨大なデータがあり、さらには新しい研究テーマが出てきたりしますので様々なプロジェクトに双生児がデータを提供しているもで世界の学校でも珍しいと思います。
これまで見てきたように大学の教員が双生児も含めた「東大附属」という資源を有効に活用し
学習指導法の開発研究をしながら、6年間の思春期の子供たちがいる訳ですから生徒を対象とした縦断的な発達研究がなされています。
なので東大附属はまだまだ様々な研究テーマに挑戦しながら可能性を追及して行くと思います。どうやら「連携」ということが東大の最大の特徴であり様々な研究資源を利用出来る環境が有効に使えるところに最大の東大付属の特徴が隠されているようです。