奨学金「延滞者数」が多い大学を調べてみました

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奨学金「延滞者数」が多い大学を調べてみました

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受験シーズンいよいよ本番。受験生は、春からの学生生活への希望に胸を膨らませ、入試に臨む。だが、その試練を乗り越えて入学した新入生の約半数が、卒業時におよそ300万円もの“借金”を背負うという現実はあまり知られていない。奨学金の負債である。

事態を憂慮した日本学生支援機構は、昨年4月、初めて大学別の奨学金延滞率(※奨学金貸与終了者のうち、3か月以上返済が滞っている人の割合)を発表した。全国751大学の奨学金貸与者数、卒業生(貸与終了者)のうち3か月以上返済が滞っている人の割合などのデータになります。

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これまで大学の序列は「合格偏差値」や「就職率」などで決められてきた。ところが、この奨学金延滞率データは、大学別の「卒業生の収入など生活力」(奨学金返済能力)を示す新たな指標であり、学生がこのデータを重視して大学を選択するようになれば従来の“大学序列”が大きく変わる可能性があるからだ。そこで、私大、国立大を含めた奨学金「延滞者数」の全国ランキングを見ていきたいと思います。

ワースト10には日大、東海、近大、早稲田、専修などマンモス私大が並ぶ。学生数が多く、奨学金受給率が高いほど延滞者数は増える。しかし、学生数が多くても、慶應、立教、同志社のようにランク外のマンモス私大もある。ここに「返済力」の違いが浮かび上がっているようでする。

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奨学金はどんな理由でも借りられるわけではなく、借りるためには大きくわけて2つの理由が必要です。

①学費が足りない
②家賃・生活費を賄うことができない
①世帯収入が少ない
②共働きの両親の片方が仕事を継続できない
③両親が借金を抱えている
④兄弟姉妹が多い
⑤障害を抱える家族がいる
⑥母子家庭・父子家庭

延滞率ランキング、大きな反響

今年4月、日本学生支援機構は大学別の奨学金延滞率を発表しました。

そこで、5月16日にこのYahoo!個人記事にて、

奨学金延滞率ランキング~影響するのは、やっぱり就職だった?を掲載。

大きな反響があり、おかげさまで多くの読者に読んでいただきました。

その際いただいたご意見が、

「聞いたこともない大学ばかり。国公立などに絞った方がいいのでは」

というものでした。

リクエストを受けまして、今回は国公立大学のみでランキングを作成しました。

総合ランキングでは、

「定員割れ」

「高学費」

「大学所在地の賃金状況」

「低賃金リスクの学部・学科」

の4点をクロスさせ、その関連性を調べました。

今回の国公立ランキングでは、「留年・院進学」と「低賃金リスク」の2点をクロスさせることにしました。

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国公立大学の中では国際・外国語系学部は留年率が高いことで有名です。それから、理工系学部だと大学院進学がデフォルトとなっているところが大半。医学部・歯学部・薬学部は6年制です。いずれも、学費は国公立大学ということで私大ほどでないにしても、期間が長い分だけ総額はかかります。

ランキングを作成した結果、大学平均の1.3%を上回ったのは161校中、16校のみ。

3%越えは名桜大学、福知山公立大学の2校のみとなりました。

しかも、この2校は元は私立大学であり、途中で公立大となっています(名桜大学は2010年、福知山公立大学は2017年)。

延滞率ランキングが私立大時代の就職実績等が反映されます。つまり、実質的には私立大と同じであり、公立大化以降の教育成果が反映されている、と見るのは早計でしょう。

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実質1・2位は留年・低賃金リスクを反映しているが…

1・2位が私立大からの転換組となると、実質的な1位は国際教養大学、2位は東京芸術大学です。

国際教養大学はグローバル教育で有名であり、それもあって留年率が48.5%ときわめて高い大学です。

東京藝術大学はフリーランス志向の高い芸術学部、音楽学部を擁します。

やはり関連性は高い…とは言い切れません。

と言いますのも、どちらも似た特性の他大学はそれほど高くないからです。

グローバル系だと、東京外国語大学が0.9%、神戸市外国語大学が0.6%、大阪大学(外国語学部)が0.5%など。

芸術系だと、沖縄県立芸術大学が1.5%、金沢美術工芸大学・長岡造形大学が0.9%、静岡文化芸術大学が0.4%など。

そもそも国際教養大学、東京芸術大学とも3%を割っています。ということを考えれば、私立大ほど留年や低賃金リスクが影響しているとは言い切れません。

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理工系、6年制学部でも影響なし

大学院進学者の多い理工系学部、医学部・歯学部・薬学部・獣医学部の6年制学部など、就学期間の長さも延滞率に影響あるのでは、と考えました。

が、国公立大学だけ見た場合、その関連が強いとはとても言えないでしょう。

国公立大生は優秀だから延滞もしない?
国公立大学は延滞率1%未満の大学が124校。このうち、福山市立大学、和歌山県立医科大学など13校は0%。

この極端なデータから推測されるのは、

・学費負担がそれほど高くない

・私立大学に比べて優秀な学生が多い分、就職できている

・そもそも奨学金の延滞はごく少数の話?

などです。

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