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東大に子供を入れたいなら・強い子に育てることが近道!
受験シーズンもいよいよ大詰め。これから国公立大の合格発表も次々に行われる。東大に受かるような子どもを育てるには、どんな秘策が必要なのか。
東大に子どもを入学させる親はさぞかし早くから準備を始めているのではないか、と思うかもしれないが、ほとんどの家庭が「東大入学を意識したのは子どもが高校生になってから」だった。
理由は、「合格圏内だったから」「本人が決めたから」という回答が多かった。家庭のルールは、あまり細かくない家が多い。「東大生の親の話を聞いていると、ガミガミ言う人よりも、ポジティブでたくさん遊んであげた親が多い。
特に、乳幼児期が重要なのだ。乳幼児期は息子と徹底的に関わったという母親は多い。子どもが言葉を話せないうちからたくさん話しかけ、毎日散歩に行き、体を触り、絵本の読み聞かせをした母親は多い。
結論は、家事を手抜きしてもいいから、子どもと関わる時間を増やすことを優先した母親は子供を東大に入れている。なぜなら子どものころから五感を刺激することで、感受性豊かに育つことを知っているからだ。
育児にプラスだと思うのは、何を話すかも重要だ。子供が2、3歳のときから、賢い子だ。と言い続けることで、勉強は得意になるし、親に言われることで、『自分はこういう人間だ』というセルフイメージを作ってしまう。子どもは親が思ったとおりではなく、言ったとおりに育つのだ。
■東大合格には「母は無職」がいい?
では多くのエリートを輩出する東京大学。日本の最難関大学に合格する人たちは、一体どんな家庭で育ってきたのだろうか。東大合格者152人を調べたら、「父親の職業」は、会社員が73人、会社役員も9人おり、サラリーマン家庭が多かった。
次いで自営15人、公務員13人。親が医師と答えた8人のうち6人が理III(医学部)の合格者だ。 一方、「母親の職業」は無職(専業主婦)が半数の53人いた。次いでパート29人、会社員と教員がそれぞれ9人のほか、自営と公務員が各6人。全国平均より専業主婦率が高い。
東大合格者は私立中高一貫校出身者が多いが、そうした学校に合格するためには、中学受験塾の膨大な予習・復習が必要で、小学生は母親の手助けが不可欠だ。子供の中学受験のために、母親が仕事を辞める例はかなり多い。
小学校時代の習い事」(複数回答)を見ると、約9割が習い事をしていた。一番人気は、水泳(66人)だ。次いでピアノ(53人)、英語(39人)と続く。子供に習い事をさせている家庭は、一般的には6~7割。東大合格者の家庭は教育熱心な親が多いから、9割は当然だ。
スイミングは体力がつきますし、小学校の体育の授業のときに泳げないと恥ずかしいので、習わせる家庭が多い。教育熱心な家庭に育ち、存分に勉強して栄冠を勝ち取った合格者たち。「将来やりたい仕事」を聞くと、学者や公務員、医師など社会に貢献する仕事を挙げる人が多い。
■東大合格者の勉強法 休日は8時間勉強、塾かけもち
日本の最難関大学、東京大学。合格を勝ち取った学生たちは、高校時代どれだけ勉強してきたのだろうか。調べてみると、高校3年の秋の一日の勉強時間」は、平日は4人に3人が4時間以上、休日では7割近くが8時間以上だ。
ちなみに、高校3年生の9月の平均勉強時間は一日3.8時間だ。彼らの受験勉強を支えたのは「塾」。ほぼ9割が通っていた。4分の1の人は二つ以上の塾を兼ねていた(通信教育含む)。
やはり河合塾や駿台予備校、東進ハイスクールと大手がトップ3を占めている。4位に挙がったのは「鉄緑会(てつりょくかい)」。ここは知る人ぞ知る、東大受験に特化した塾だ。
中学1年から6年間、みっちり指導を受ける。指定の有名中学に合格した生徒は無試験で入塾が認められるが、それ以外の学校や途中入塾は試験を受ける。小学3年くらいから難関私立中学受験のための勉強をし、中高では東大を目指して勉強をするのだ。
私立から東大を目指す子にとっては、勉強することが当たり前になっているのだ。勉強時間を奪いがちな「ゲーム」に、東大合格者は疎遠だ。高校時代にゲームをしなかった人は152人中75人とほぼ半数。ゲームをした人でも30分未満が20人、1時間未満が35人と、大半が息抜き程度だ(笑)。
■東大に合格する子育て 実は「放任」が最強?
親なら誰しも、自分の子どもにはいい大学に行ってもらいたいと思う。受験には親の協力が不可欠。しかし、実は、共働き家庭でも「ほったらかし」で東大合格者の親もいる。中学高校と子どもが自分で弁当を作り、東大受験当日はおにぎりを用意していった子供もいるのだ。
しかし、単なる放任ではない。勉強以外では厳しい親だ。小学校時代、プールの後に、友達がいつもジュースを飲んでいるからと小遣いをせがまれても、お茶で我慢させる。歩ける距離はバスもNG。
ここでポイントは、目指したのは、東大に合格する子ではなく、強くたくましい子だなのだ。必要とあらば窮余の策で参考書に占領された勉強机の代わりに、リビングを明け渡し、勉強スペースを確保してあげる協力も必要だ。
結局、一人で勉強して合格を勝ち取る子供もいるのだから、結論は親に寄りかからない子供に育ってることだ。
■受験時代「8時間は寝ていた
最終的に東大に決めたのは、東大受験に際しては戦略を立てることだ。分析すると、東大の全教科合計の合格最低点は、6割弱。国語や生物で点数を稼ぎ、数学は全6問のうち、1問完答できればいいと判断するのだ。
さらに数学6問のうち、すべてが数IIICから出題ということはない。だったら数IIICの問題は最初から「解かない」と決め、それ以外の範囲をひたすら勉強する。一方、国語は、現代文に関してはあまり特別な勉強はしないで、古文、漢文だけを重点的に勉強することだ。
受験勉強に役立つのは読書経験です。食わず嫌いせず、難しい本でもなんでも読もうと考えて、本屋の文庫棚の前で目をつぶって1冊とり、必ず最後まで読み切っていま意志力だ。
これは自分では絶対に選ばない本も手に取るので、読書の幅を広げられる。図鑑も『原色日本蝶類図鑑』なをよむろいい。知らないことがたくさん書いてありますし、眺めるだけでも楽しいものだ。
言うまでもないが、受験期に気をつけていたのは、とにかくちゃんと寝ること。徹夜して受けた試験より、割り切って寝てしまって受けた試験のほうが結果がいいことが多のだ。眠い頭でぼーっとして問題を解いても受からない(笑)。