中学受験の合格を決めるのは「母親の力量」で決まります【2】

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中学受験の合格を決めるのは「母親の力量」で決まります【2】

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雄也は、ある大学付属校を目指しています。新年度になったばかりですが、塾では6年生の扱いですから、さっそく宿題の量が増えてきたようです。小学3年生のとき、中学受験塾に通いはじめてから、雄也はダイニングで宿題をするようになりました。わからない問題があったら、私に質問してくることもあります。夫がいるときは、夫に聞いています。 
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このところ、ダイニングチェアーに腰を掛けて5分もしないうちに「わからない。これ、どういう意味?」とたずねてくるようになりました。よく考えもしないうちに教えてしまうと本人のためにならないと思って、「本当にわからないの?」「どこがわからないの?」と聞き返すと、「最初から、わかんない」なんて。

「授業ではわかったの?」と聞くと、「わかったよ」と答えるのです。宿題に、授業で習ったものと全然違う問題が出ているのならわかるのですが、テキストを見てみると、授業で習った問題とほとんど同じなんです。数字や見た目が少し違うぐらいのこと。授業では「わかった」のに、宿題がまったく「わからない」なんて、そんなことがあるのでしょうか。

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そもそも授業を真面目に聞いていないのでしょうか。それとも、受験のストレスとか、不安とか、何かそういうものがあって、一時的に甘えているのでしょうか。求めに応じて教えてやればいいのか、それとも、突き放したほうがいいのか、みなさんは、どうしていらっしゃるのでしょうか。

―Question

子供が「わからない」を連発すると、親は不安に陥ります。「なんで? 授業で習ってきたんじゃないの?」と。宿題で早々につまずいてしまう子を前にしてプロの学習コンサルタントは、この状態をどう分析すると思いますか。

(1)塾の教え方に問題がある。子供を楽しませるだけ理解させていない疑い

(2)本人の授業の受け方問題がある。わかったつもりで帰ってきている疑い

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1 基本の考え方 塾の授業は「ブラックボックス」

「学習サイクル」で最も管理しにくく、盲点になりがちなのが授業です。それは、授業が親に見えないところで行われている場合がほとんどだからです。ですから、子供がどんな授業を受けているのかくわしく知っているママは、意外に少ないものです。

子供がどう受けているのかが見えない、という点ではテストも同じです。しかし、テストは、問題用紙、答案用紙、成績表など分析するための資料を後から十分に得られます。それに対して、授業は子供が取ったノートしか中身を知る資料がありません。

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先生が一生懸命説明をしてくれていたとしても、子供がノートに何も書いてこなければ、何を習ったのか親にはわからない。つまり、子供から授業内容を聞き出す以外に方法がないのです。

多くの親は子供が塾でどんな授業を受けているのか、気にしているものです。塾から帰ってきたら、「今日は何を習ったの?」と問いかけるママも多いことでしょう。子供が素直に答えてくれるうちはいいのですが、5年生にもなると反抗期も始まり、子供の口も重くなりがち。

塾の授業が、だんだんとブラックボックス化していくのです。さらにこういった事情以上に、私たち学習コンサルタントが、「授業管理は盲点になりやすい」と考える理由があります。

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2 診断問題の答え

授業の管理が盲点になりやすいのは、「授業の受け方を誰が子供に教えるのか?」について、誤解があるからです。「塾講師は受験の専門家なのだから、当然授業の受け方も教えてくれるはずだ」と、お考えのママは多いのではないでしょうか。また、「塾ごとにやり方があるので、家庭があまり口出ししないほうがいい」、と遠慮している方もいらっしゃるでしょう。しかしそれは大きな誤解です。

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もちろんどの塾も授業には工夫を重ねており、それぞれのスタイルを確立しています。そのスタイルに合わせて、授業の受け方を保護者会でガイダンスする塾もあります。しかし、それでは不十分。大手塾だけを見回しても、予習前提の塾、淡々とした解説がメーンの塾、子供を楽しませる劇場型の塾、授業中に難問を自力で解かせる塾など、さまざま。まず、お子さんが通っている塾の授業スタイルを、ママはご存じでしょうか。また講師も、話すスピード、ヒントの与え方、褒め上手か叱り上手か、などタイプはいろいろ。講師の指導タイプに合わせて、わが子は授業を受けているでしょうか。 

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つまり、塾は自校の授業スタイルにあった一般的な授業の受け方を説明してくれても、講師ごとや子供の性格、志望校に合った受け方までは教えてくれないのです。結果として、「授業の受け方」研究がおろそかになったまま、子供たちは受け身で授業に参加してしまうのです。

問題の答えとしては選択肢(1)、(2)いずれの可能性もあります。しかし最優先でチェックすべきなのは、子供が塾のスタイルに合った授業の受け方をできているかどうか。つまり、答えは(2)。授業の受け方をどう研究すればいいか、その手法をご紹介しましょう。

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3 授業を生かすアクション(1) 授業の理解度をチェックする

「授業ではわかったの?」というママの質問に対して、雄也くんは「わかった」と答えました。本当はわかっていないのに、です。

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これは雄也くんに限りません。多くの子供は何がわかっていて、何がわかっていないのか、自分自身の理解度を覚えておくのは苦手です。自分で解いているときにはよくわからなかった問題も、習って答えを「知る」と、全体が「わかった」気分になりやすいからです。

実際には理解していないため、家では解けません。帰宅してから「わかった?」と問いかけても、子供自身が自分の理解度を錯覚していますから、「わかった」という答えが返ってくるのです。ではどうするか。授業中に理解度の記録をどんどん残させればいいのです。

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解いてみて自力でわかった問題は○、わかるけれど少し難しい問題は△、わからなかった問題は×。テキストの問題番号に印を書いていきます。親は○・△・×のバランスを見て、授業中の理解度を大まかに把握します。優先的に復習すべきなのが、△の問題。すぐに復習しないと△から×になってしまうので注意しましょう。

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4 授業を生かすアクション(2) 授業再現シートから受け方を導く

授業の理解度を把握できたら、次はママが授業を丸ごと把握して、授業の受け方を決めていきましょう。有効なのが、「授業再現シート」をつくること。授業で起きていることのすべてを1枚の紙に書き出します。親がインタビューをし、子供が答える形で埋めます。

授業開始から終了まで、そのとき講師が何をして、子供が何をしたか。ほかの子の様子はどうか、ということを時間の流れに沿って具体的に拾い出していきます。「先生はこの時間に何をしているの?」「あなたはどうしているの?」「ほかの子はどんな様子?」と聞いていきます。

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くわしく聞き出せば、授業のスタイル、先生のクセ、わが子のクセが見えてきます。それらが見えてきたら、親子で話し合って、授業の受け方にルールを設けます。たとえば、「先生が、黒板に注目!と言ったらノートの書き写しをやめて先生の話に集中する」「解説をくわしくしない先生だから、前日にママとテキストを軽く読んでおこう」などです。

余談ですが、「授業再現シート」をつくったら、「うるさい!」「静かにしなさい!」と20分以上も先生が怒っていて、授業の進行が遅れているとわかった例もあります。同じ状態があまり続くようなら、塾に改善を申し入れたほうがよいでしょう。

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