中学受験の倍率が軒並み上昇している理由?

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中学受験の倍率が軒並み上昇している理由?

お子さま一人ひとりの個性が違うからこそ、中学校選びも決まった正解はありません。
どの中学校にもよい点はたくさんあります。その中でお子さまにとってメリットが一番大きな環境はどこなのか、またその環境で学ばせるお子さまやご家庭に合うのはどんな中学校かを考えていきましょう。

選抜方法や入試問題をはじめ、さまざまな特徴がある公立中高一貫校。
お子さまに合う進路を考えるために、私立中学校との違いや、公立中高一貫校のメリットを確認してみましょう。

充実したカリキュラムとユニークな取り組みが特徴
公立中高一貫校では、部活や課外活動など、やりたいことに集中でき、計画的な6年間を過ごすことができます。

中高を通した6年間の教育で、次世代を担うリーダーを育成することを目的に設立されたのが公立中高一貫校です。
2000年半ばから急激に増え、特色のある教育方針で、高い合格実績を出す公立中高一貫校は人気を高めており、近年、注目度が上昇しています。

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公立中高一貫校には、以下の3つのタイプがあります。

(1)中等教育学校
(2)併設型
(3)連携型

無選抜で高校に進学できる(1)と(2)は、部活や課外活動、ボランティア活動など、やりたいことに専念でき、自主性の高い6年間を過ごすことができます。(3)は、高校進学時に選抜試験がありますが、中学入学時に選抜がないことが特徴です。

公立中高一貫校にはこんな特徴がある
地域に根差した教育や独自の文化がある
公立の学校ならではの地域に根差した教育を行っている学校が多いのも公立中高一貫校の特徴の一つです。また、東京都を例に挙げると、公立中高一貫校になった都立高校は伝統校が多く、学校ごとに独自の文化があるのも特徴です。

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特定の分野に力を入れた特色あるカリキュラムがある
公立中高一貫校では、一学年先の学習を先取りして詰め込んで学ぶのではなく、公立なので学習指導要領に沿って授業が進められます。その中で、学校独自のカリキュラムで深い学びが実現できるところによさがあります。
特定の分野に力を入れた特色あるカリキュラムがあるのも、公立中高一貫校の特徴です。
高校受験を考えなくてよい中高一貫校は、6年間を見通した一貫性のあるカリキュラムで学べ、大学受験に備えられるのが何よりの魅力です。

自主性の高い中高生活を送ることができる
公立中高一貫校の校風は、学校にもよりますが面倒見というよりは自主性重視のところが多いようです。
公立中高一貫校の生徒たちは、高倍率の適性検査を乗り越えて入学した生徒の集団です。多くの場合、生徒たちは先輩の背中を見て、「自分も頑張ろう」「僕にもできるはずだ」という思いを強め、学校行事に主体的に取り組み、学びに向かう姿勢を身につけていきます。

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学費が安くても質の高い教育を受けられる

私立中学校→私立高校では、6年間の学費が約713万円かかるのに対して、公立中高一貫校では約283万円で、公立中学→公立高校へ進学する金額と同等程度です。
経済的な負担が小さいという理由で、公立中高一貫校を受検する家庭もあるようです。

※1 文部科学省「平成30年度 子供の学習費調査」の「学習費総額」の値(学校教育費のほかに、給食費、学校外活動費が含まれます)。調査は全国平均です。

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2020年に予定されている大学入試改革によって、日本の受験界に激震が走っている。文科省は次世代の日本人に求められる力を「自ら課題を見出し問題を解決する力」とし、高校・大学の教育課程を全面的に見直すようです。

その一環として、現行のマークシート主体のセンター試験が廃止され、新たに「大学入試共通テスト」が導入される。これまでにはなかった記述式のテストが国数で導入され、英語に関しては「聞く」「読む」に加え「話す」「書く」の4技能評価となり、試験の外部委託も予定されております。

2年後に迫ったこの改革にあたって今、“中学受験”に注目が集まっている。中高一貫校、なかでも難関私大の附属中学校の受験倍率はここ数年、全体的に大きく上昇している。

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──中学受験がひと際、熱を帯びてきているように見えます。

A:「大学受験」と聞くと遠い未来に感じるかも知れませんが、現小6生はこの新テスト導入後の世代。決して遠い未来の話ではないのです。既に新テストの記述式問題のモデル問題が公開されており、公立高校でプレテストを実施したところ、ある生徒は「今の学校の授業だけではこの問題は解けない」と。

高校の3年間だけで、果たしてこの新テストに対策がしきれるのか、という不安に対して、すでに多くの私立中学は、中高一貫の6年間でこの新テストに準備することを表明しています。変革への不安と、一貫教育への期待から、注目が高まっているのではないでしょうか。

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──中高一貫校は増加の一途です。

A:ただ、高校募集をやめた学校が増加しています。いわゆる“御三家”も、高校から入れるのは男女6校中開成の1校のみです。私立だけでなく、公立の中高一貫校も増加しており、首都圏に22校あります。親が高校から通っていた母校が、今は中高一貫になっていて高校受験できない、というケースは意外と多いんじゃないでしょうか。親の世代が受験した時代と較べて、選択肢は減っていると思います。

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──難関私大の附属中学校の倍率が大きく上昇しています。平均すると4倍から7倍の狭き門と言われています。

A:2015年、文科省は定員を上回る私大への補助金カットの方針を打ち出しました。首都圏に学生が集中している状況を打開するためのものです。2016年から段階的に定員超過数が厳格化されてきており、特に難関私立大学の合格者数はすでに大幅に削減されています。

早稲田・明治・青学に至っては一昨年(2016年)と前年(2017年)で各2000人超の削減。難関私大全体で1万人超の削減となっています。この合格者数減を受け、大学受験を避け、附属中から入る動きが加速し、その結果難関私学附属校は軒並み倍率が上昇しています。実際に、厳格化が開始された2016年と較べて今年2018年の倍率は、慶應義塾中等部は6.5倍から7.3倍に上昇。明治大学付属中野八王子中学に至っては2.3倍から4.3倍に急上昇しています。難関私大附属中学全体で、平均して1ポイントから1.5ポイント上昇しているのです。

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──『二月の勝者』の舞台は中学受験塾ですね。

A:中学受験は、義務教育だけで合格するのはかなり困難です。ほとんどの子どもは4年生から、遅くとも6年生の春から中学受験塾に通います。本書で中学受験塾を舞台にしたのは、中学受験を親子のドラマとしてだけ描くのではなく、それを主に支える塾業界、その職業にスポットを当てたかったからです。

親が子どもの将来を真剣に考えた結果として中学受験を選んだ事情。そして子どもにとっても自分ごとになってからの真剣な気持ちや努力。それを支える塾。世間一般のイメージとは違い、大人のエゴだけではない、“二月の勝者”となるためのそれぞれの真剣な闘いがそこにあります。

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A:本書は、大手受験塾を辞め、中堅受験塾の校長として赴任した黒木蔵人が、「親はスポンサー」「金脈」と受験のタブーを次々と露わにしていきます。一方で、<受験当日に公式を忘れた他校の生徒><偏差値40の子供><塾を辞めたい生徒>などを結果的に救い、「全員第一志望合格」を公約します。

エンターテインメントとして所々に過激な表現はありますが、子どもを“二月の勝者”とするために塾では何が行われているのか。例えば、作品の冒頭で受験当日の早朝に、塾講師たちが志望校の門前に集合し、雪をかぶって塾生を応援するシーンがあります。一見やり過ぎで馬鹿馬鹿しく見えるかも知れませんが、実際に塾生達に話を聞くと、応援が嬉しかったり、緊張がほぐれて平常心を取り戻せたりと、明確な効果が出ているんですね。

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必ずしもいわゆるガリ勉タイプだけが受験向きという訳でもありません。サッカーなどチームスポーツを続けてきた子どもは、競争意識や、目的に向かってやるべきことを組み立てる経験値が高く、これは中学受験に生かせることがあります。ピアノをずっとやっていた子どもは、長時間椅子に座って集中する習慣が身についています。こういった子どもの個性は、受験勉強の進め方や、モチベーションのスイッチが入るタイミングに大きく影響します。受験を切っ掛けにあらためて子どもと向き合うことになる親はとても多いです。

また、中学受験塾の授業というと、異常な緊張感の中で黙々と、画一的な詰め込み勉強をしている印象があるかもしれませんが、トップクラスの講師の授業ほど、授業中に笑いが起きたり、活発に生徒が発言していたりします。義務教育と違って塾講師は評価によって待遇が変わります。彼らは小学生を集中して学ばせることに関して、プロなのです。『二月の勝者』には長期にわたって塾や講師、保護者等に取材してわかったこういった実態が沢山詰まっています。

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──今後、中学受験は更に加熱していくのでしょうか。

A:本書の裏テーマは「教育格差」です。大学受験改革を筆頭に、今、子どもたちは変革の波の真っ只中にいます。一方で、中学受験というチャンスを持った子ども、そうではない子ども、かなり格差があります。果たして、子どもを取り巻く環境はこれでいいのか? 世の中はこれでいいのか? 今の子どもたちの未来は? 今の子どもを取り巻く環境や事情、それを更に取り巻く大人たちの事情をリアルに描くことで、読んだ後に少し立ち止まって考えるきっかけになれば嬉しいです。

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